耐震診断について

現地にて現地調査票・間取り図を描きます。
竣工図面などがあれば参考とさせて頂きますが、基本的には現地での現況を優先させます。
柱の位置・窓の位置、大きさ・壁下地の種類などを各部屋で確認します。また、天井裏・床下からの進入調査により軸組(筋交サイズ、土壁の厚さ)、基礎の位置などを確認致します。
また、併せて劣化度の調査(腐朽や白蟻被害、建物の傾き等)を調査します。
普段生活する中で気になっていた不具合の原因がわかることもあります。

耐震診断 現地調査の流れ
https://youtu.be/gkuP3ymIT40

耐震診断でチェックするポイント
https://www.mokutaikyo.com/files/file_20200818062952.png

現地調査票を基に耐震診断書を作成致します。床面積に対して必要な耐力が算出されます。診断した建物の現状の耐力が現行基準の必要耐力と比べてどの程度あるかを評点という数値で算出致します。
各階、各方向の評点が出てきます。
評点1.0以上が現行基準となります。
また、配置バランスによりねじれの起きやすい方向や、天井裏・床下で不具合が見られた箇所を写真にて説明致します。

現行の耐震基準に適合させるための補強提案書を作成致します。
基本は、壁を強くするという考え方のもと、
既存の壁を耐震パネルや構造用合板、筋交等で補強計画します。
どの方向の壁をどの程度補強しないといけないかは耐震診断ができる設計者でないと分かりません。しっかりとした根拠に基づき補強計画をしないと、耐力壁のバランスが悪くなったり意味のない補強となってしまいます。
また、補強した壁の強さが100%発揮できるように基礎の補強を検討したり、N値に合わせた金物の選定が必要となります。

耐震補強工事について

屋根軽量化工事(重い屋根 ➡軽い屋根)

耐震補強工事というと、壁の補強がイメージされると思いますが、その他ひとつとして屋根の軽量化があります。
瓦など重い材料の屋根を、コロニアル・スレート・板金・防災瓦などの軽い材料の屋根に吹き替える工事です。
屋根が軽くなることで 建物の自重が軽くなり 、地震の際に揺れが軽減されます。

屋根軽量化工事をすることで、必要耐力が少なくなり評点が上がります。評点1.0以上が条件ですが、自治体の補助事業の適用内となっていることが多いので、葺き替えを検討されている方には、ぜひ一度ご確認ください。

劣化度改善工事

長くお住まいになられるとどうしても経年劣化が生じてきます。耐震診断でも、劣化度調査が13項目設定されていて、健康な状態からどの程度劣化があるかを調査し、低減係数というものを計算します。これは、現状のお住まいが持っているふんばる力(保有耐力)に低減を掛けるため、評点が下がってしまいます。

その為、劣化度を改善する工事も耐震補強工事のひとつとなります。

例えば、外壁のクラック補修工事です。
Uカットシール工法などで適切に修繕することで劣化度改善となります。
また、床の傾きの改善工事などもあります。
土台から上を家揚げすることで、傾きの改善を図ります。
併せて地盤改良などをすると効果的です。
その他劣化度改善には色々と補修方法があります。

こちらも自治体の補助事業の適用内となっていることが多いので、ぜひご相談ください。